第1章 総則

第1条(目的)

  1. 本指針は、株式会社カプレア(以下、「事業者」という。)が運営するアイビー米子教室(以下、「事業所」という。)におけるハラスメントの防止に関する方針及び措置を定めるものである。
  2. 事業者は、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、及び育児・介護休業法に基づき、職場におけるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、並びに妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントを防止するため、雇用管理上の必要な措置を講じる法的な義務を負う。
  3. 本指針は、これらの法的義務を遵守するとともに、重要事項説明書に定める「職場におけるハラスメントの防止」(第11条)の具体的な運用を定める。
  4. 本指針の最終的な目的は、ハラスメントのない安全で快適な職場環境を確保することにより、全ての従業員が互いの人格と人権を尊重し、その専門性を十分に発揮できる環境を整備することにある。これは、当事業所が理念として掲げる、お子様の「自己肯定感」と「心と体のトータルな発達」を支援するという社会的責務を全うするための必須の基盤である。

第2条(定義)

本指針において、以下の各号に掲げるハラスメントを厳重に禁止する。

  1. パワーハラスメント
    職場において行われる、(1) 優越的な関係を背景とした言動であって、(2) 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3) 労働者の就業環境が害されるものをいう。
  2. セクシュアルハラスメント
    職場において行われる、労働者の意に反する性的な言動により、(1) 当該労働者が労働条件について不利益を受けること(対価型)、又は (2) 当該性的な言動により就業環境が害されること(環境型)をいう。
  3. 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント
    職場において行われる、上司または同僚からの、労働者の妊娠・出産、育児休業、介護休業等の制度の利用に関する言動により、当該労働者の就業環境が害されるものをいう。
  4. 不適切な療育・虐待関連ハラスメント
    従業員から事業所の利用者(以下、「利用者」という。)である児童に対して行われる、児童の尊厳、人格、及び権利を侵害する一切の言動をいう。これには、重要事項説明書 第5条に定める「虐待の防止」及び同 第10条に定める「身体拘束等の禁止」に違反する行為(身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト、性的虐待、不適切な身体拘束)が当然に含まれる。当事業所の療育理念に反する、児童の自己肯定感を著しく損なう言動もこれに該当する。
  5. カスタマーハラスメント
    利用者、その保護者、またはその他関係者(以下、「利用者等」という。)から従業員に対して行われる、社会通念に照らして不相当な要求、及び当該要求の手段として用いられる暴言、脅迫、威圧的な言動、過剰な要求、人格を否定する言動、その他のハラスメント行為全般をいう。

第3条(適用範囲)

  1. 本指針は、株式会社カプレアの全ての役員、及び事業所(アイビー米子教室)で就業する全ての従業員(管理者、児童発達支援管理責任者、児童指導員、保育士、理学療法士、その他正社員、パートタイマー、契約社員、派遣労働者等、雇用形態を問わない)に適用される。
  2. 本指針は、事業所の施設内(指導訓練室、相談室、事務室等)のみならず、送迎サービス中の車両内、訪問先、出張先、研修中、さらには懇親会等の実質的に職務の延長と見なされる場所、及び電話、電子メール、SNS等の業務に関連する全てのコミュニケーションにおいて適用される。
  3. 本指針は、従業員間、従業員から利用者(児童)へ、及び利用者等から従業員へという、事業所に関わる全ての当事者間の関係性に適用される。

第2章 具体的な禁止行為

第4条(従業員間の禁止行為)

全ての従業員は、他の従業員に対し、第2条で定義したハラスメント行為を行ってはならない。以下に例示する行為は、これに該当し得る代表的なものである。

  1. パワーハラスメントに該当し得る行為
    (1) 身体的な攻撃:殴る、蹴る、物を投げつける等の暴行。
    (2) 精神的な攻撃:脅迫、名誉毀損、侮辱、人格を否定するような暴言、他の従業員の前での威圧的な叱責。
    (3) 人間関係からの切り離し:特定の従業員を意図的に無視する、必要な情報(支援計画の変更等)を伝えない、チームミーティングから外す。
    (4) 過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制する、意図的に過重な業務を割り当てる。
    (5) 過小な要求:専門資格(理学療法士、保育士等)や能力とかけ離れた程度の低い仕事(例:懲罰としての清掃業務のみ)を命じる、仕事を与えない。
    (6) 個の侵害:私的な事柄に過度に立ち入り、業務に関係のない個人情報を執拗に詮索する。
    (7) 【当事業所特有の禁止行為】:自らの専門性(理学療法士、保育士、児童指導員等)を背景に、他職種の従業員の専門性や貢献を公然と貶め、見下すような言動を取り、チームアプローチを阻害する行為。
  2. セクシュアルハラスメントに該当し得る行為
    (1) 不必要な身体的接触、性的な関係の強要、食事やデートへの執拗な誘い。
    (2) 容姿、服装、身体的特徴に関する不快な発言、性的な冗談、噂話。
    (3) 職場で性的な画像や動画を閲覧・掲示する行為、電子メールやチャットで送信する行為。
  3. 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントに該当し得る行為
    (1) 妊娠・出産の報告者、または育児休業等の制度利用者に対し、「忙しい時期に迷惑だ」「キャリアに傷がつく」等の制度利用を阻害する言動。
    (2) 制度利用者の業務を、他の従業員に「あの人のせいで仕事が増えた」等の発言と共に過剰に割り当てる行為。
    (3) 制度利用者に対し、休業からの復帰後に不利益な配置転換や処遇を示唆する行為。

第5条(利用者への禁止行為 – 虐待の防止)

全ての従業員は、利用者である児童に対し、第2条第4号に定める「不適切な療育・虐待関連ハラスメント」を行ってはならない。これは、重要事項説明書 第5条(虐待の防止)及び第10条(身体拘束等の禁止)に基づく責務である。

当事業所の療育理念は、「できた!」という成功体験を通じてお子様の「自己肯定感」を育むことにある。この理念に鑑み、以下に例示する、児童の自己肯定感を著しく損ない、心理的な発達を阻害する行為を厳重に禁止する。

  1. 児童の人格を否定する言動、威圧的な叱責、脅迫(例:「そんなことするなら送迎車に乗せない」「お母さんに全部言う」)。
  2. 児童の特性、障害、診断名、または運動療育プログラム(サーキット等)での失敗を、他の児童や職員の前で揶揄したり、嘲笑したりする行為。
  3. 他の児童と不必要に比較し、特定の児童の劣等感を助長するような発言(例:「〇〇君はもうできたのに、なぜあなたはできないの?」)。
  4. 安全確保の正当な理由なく、懲罰として療育プログラム(運動療育、集団遊び等)への参加を意図的に制限する、または無視する行為。
  5. 児童が理解できないだろうと憶測し、児童の目の前で、当該児童に関する侮辱的・否定的な会話を他の職員と行う行為。
  6. 重要事項説明書 第10条に定める「緊急やむを得ない場合」の厳格な要件を満たさない、一切の身体的拘束及び行動制限。

第6条(利用者等からのハラスメントへの対応)

従業員をカスタマーハラスメント(第2条第5号)から保護することは、事業者の安全配慮義務である。従業員は、利用者等からハラスメント行為を受けるいわれはなく、耐える必要もない。

  1. 従業員の権利と対応
    従業員は、利用者等から暴言、脅迫、威圧的な言動、人格否定等のハラスメントを受けた場合、自らの安全と尊厳を最優先に行動する権利を有する。
    従業員は、当該利用者等に対し、「そのようなお話の仕方では、対応を継続することができません。改めて管理者(柳田)からご連絡差し上げます」と冷静に通告し、一時的に電話や対話を終了し、その場から離脱することを許可する。
  2. 報告の義務
    ハラスメント行為を受けた従業員は、その事実を速やかに管理者(柳田友基)または相談窓口(第10条)に報告しなければならない。
  3. 組織的な対応
    報告を受けた事業者は、当該従業員個人のみに対応を任せず、管理者(柳田友基)または他の指定された担当者が、組織として一元的に対応する。
    事業者は、まず従業員の安全確保と精神的ケアを行う。
    事業者は、利用者等に対して事実関係を確認の上、ハラスメント行為が事業所の運営方針及び重要事項説明書(「サービス利用に当たっての留意事項」)に反するものであることを明確に伝え、中止を求める。
    行為が繰り返され、療育サービスの提供に重大な支障が生じる場合、事業者は弁護士等の外部専門家と連携し、契約に基づくサービスの提供停止を含めた厳正な措置を講じる。

第3章 予防措置

第7条(事業主及び管理者の責務)

  1. 事業者の代表取締役(柳田友基)は、本指針の実行に関する最終責任者であり、ハラスメントの防止及び排除を主導する責務を負う。
  2. 事業所の管理者(柳田友基)は、本指針が適切に運用されるよう、日常の業務遂行において以下の責務を負う。
    (1) 自らがハラスメントのない職場の模範となること。
    (2) 従業員がハラスメントに関する懸念や相談をしやすい、風通しの良い職場環境を積極的に整備すること。
    (3) 重要事項説明書 第5条に基づき設置されている「虐待の防止のための対策を検討する委員会」を活用し、ハラスメント(虐待及びカスタマーハラスメントを含む)の防止策についても定期的に協議し、改善を図る。

第8条(従業員の責務)

  1. 全ての従業員は、本指針の内容を熟読し、理解し、遵守する責務を負う。
  2. 全ての従業員は、自らがハラスメントの行為者とならないよう、常に他者の人格と専門性を尊重する言動を心がけなければならない。
  3. 全ての従業員は、ハラスメント行為(特に第5条に定める利用者への禁止行為)を見過ごしてはならない。ハラスメント行為を認識した(またはその疑いを持った)場合、自らの安全を確保した上で、速やかに第10条に定める相談窓口に報告する責務(積極的傍観者としての責務)を負う。

第9条(研修の実施)

  1. 事業者は、ハラスメント防止に関する従業員の意識を高めるため、全従業員を対象とした研修を、新規採用時及び少なくとも年1回定期的に実施する。
  2. 研修内容は、以下の点を含み、当事業所の実態に即したものとする。
    (1) 本指針の具体的な内容、及び関連法規の知識。
    (2) ハラスメントの各類型(第2条)の定義と具体例。
    (3) 第5条に定める「不適切な療育」と「適切な指導」の境界線に関するケーススタディ。
    (4) 第6条に定めるカスタマーハラスメントへの具体的な対処法(ロールプレイングを含む)。
    (5) 当事業所の多職種連携(理学療法士、保育士、児童指導員等)における相互尊重の重要性。
    (6) 第10条に定める相談窓口の周知と利用方法。
  3. 管理職(管理者、児童発達支援管理責任者)に対しては、上記に加えて、相談を受けた場合の傾聴方法、客観的な事実確認の手法、及びプライバシー保護の重要性に関する専門的な研修を実施する。

第4章 相談及び対応

第10条(相談・苦情窓口)

  1. ハラスメント(その疑いがある場合を含む)に関する相談・苦情窓口(以下、「相談窓口」という。)を以下の通り設置する。
  2. 相談は、被害を受けた本人のみならず、その同僚や関係者からも受け付ける。相談は、対面、電話、電子メール等の方法を問わない。
  3. 相談窓口担当者は、相談者のプライバシー保護(第11条)を最優先に対応する。
  4. 相談者は、以下の窓口担当者のうち、相談しやすい担当者を選択することができる。

【ハラスメント・コンプライアンス相談窓口】

窓口区分担当者職氏名
社内窓口 1管理者 柳田 友基
社内窓口 2虐待防止担当者 永井 沙也香

第11条(プライバシーの保護と報復の禁止)

  1. プライバシーの厳守
    相談窓口担当者、及び相談への対応、事実調査に関与した全ての者は、相談者、行為者とされる者、及び事実確認に協力した第三者のプライバシーを厳守し、職務上知り得た秘密を正当な理由なく他に漏らしてはならない。この守秘義務は、重要事項説明書 第13条(秘密の保持)に基づき、退職後も継続する。
  2. 不利益取扱いの絶対的禁止
    事業者は、従業員が以下の行動を取ったことを理由として、当該従業員に対し、解雇、降格、減給、不利益な配置転換、その他一切の不利益な取扱いを絶対に行ってはならない。
    (1) ハラスメントの被害を誠実に相談・申告したこと。
    (2) ハラスメントの事実確認調査に誠実に協力し、証言したこと。
  3. 報復行為の禁止
    相談者、または調査協力者に対して報復行為(嫌がらせ、無視、業務上の不利益の付与等)を行った者、及び相談内容や調査で知り得た情報を許可なく漏洩した者は、本指針への重大な違反とみなし、就業規則に基づき最も厳格な懲戒処分の対象とする。

第12条(相談への対応と事実調査)

  1. 相談窓口は、相談者からの申出を受けた場合、遅滞なく対応を開始し、相談者のプライバシーと安全を最優先に配慮しながら、誠実に対応する。
  2. 相談窓口担当者は、相談者から事実関係、被害の状況、及び相談者の意向(例:「まずは話を聞いてほしい」「調査してほしい」「行為者への措置を求めたい」)を丁寧に確認する。
  3. 相談者が調査と対応を希望した場合、管理者は(または管理者が当事者である場合は代表取締役が指名する中立な者が)、速やかに事実関係の調査を開始する。
    (1) 調査は、相談者、行為者とされる者、及び必要に応じて第三者から、個別に事情を聴取することにより行う。
    (2) 行為者とされる者には、弁明の機会を平等に与え、客観的かつ公正な調査を行う。
    (3) 調査内容は、日付、場所、当事者の発言等を具体的に、かつ秘密裏に記録する。

第13条(措置の決定と実施)

  1. 事業者は、前条の調査結果に基づき、ハラスメント行為の事実が確認された場合、速やかに以下の措置を講じる。
    (1) 被害者(相談者)に対する措置
    被害者の精神的ケア、及び二次被害の防止を最優先とする。必要に応じて、被害者の意向を尊重した上で、行為者との物理的な引き離し(配置転換、療育担当の変更等)や、職場環境の改善措置を実施する。
    (2) 行為者に対する措置
    就業規則及び関連規程に基づき、行為者に対して厳正な懲戒処分(けん責、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇等)を行う。処分に該当しない場合であっても、再発防止のための厳重注意、研修の受講命令、または配置転換等の必要な指導・措置を行う。
  2. ハラスメントの事実は明確に確認できなかった場合、またはハラスメントには該当しないと判断された場合であっても、職場環境の悪化(人間関係の対立等)が認められる場合は、職場環境を改善し、円滑な業務遂行を回復するために必要な措置を講じる。
  3. 事業者は、調査及び措置の結果について、プライバシー保護に最大限配慮した上で、相談者及び行為者とされる者に対し、必要な範囲で遅滞なく説明を行う。

第14条(再発防止措置)

  1. 事業者は、ハラスメント事案(カスタマーハラスメント、不適切な療育事案を含む)が発生した場合、当該事案への対処のみならず、その根本的な原因を分析し、組織的な再発防止策を講じる責務を負う。
  2. 再発防止策には、事案(個人が特定されないよう匿名化する)を教訓とした全従業員への周知徹底、第9条に定める研修内容の見直しと追加実施、業務プロセスの改善、人員配置の見直し等が含まれる。

第5章 附則

第15条(指針の見直し)

事業者は、関連法令の改正、社会情勢の変化、及び本指針の運用状況を踏まえ、第7条に定める「虐待の防止のための対策を検討する委員会」等と連携し、本指針を少なくとも年1回定期的に見直し、必要に応じて改定を行うものとする。

第16条(施行)

本指針は、2025年6月1日より施行する。

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